女子が外出から家に戻り、最初にやることはなんだろう。
私は着替えることである。部屋着になった瞬間の解放感といったらない。日ごろ窮屈な服を着ているわけではないが、下着が問題なのだ。ブラジャーである。
胸のフォルムや大きさをどうこうしたい人にとって、ブラジャーは有用だ。しかし、そんなことは(もう)どうでもいいという人とっては、肩も凝るし、アンダーの締め付けもつらいだけ。
スタイルを良く見せたいのでもない限り、ブラジャーは乳首が出ないように隠し、バストトップをそこそこキープする意味くらいしかない。
なるべくリラックスしたい旅でも、このブラジャー問題はつきまとう。移動の疲労をなるべく軽減しようと、スポーツブラやスロギーなど、いろいろ試しもした。
しかし、どれも肩ひもがかかっているのがしんどい。かといって、肩ひもなしだとアンダー(胸の下)が圧迫され、それもしんどい。
こうして、いかにリラックスした状態で旅をできるか、日々追求してきたわけだが、昨年、この問題を一挙に解決するもの手にした。
巨大ニプレス。
それは、巨大ニプレスだ。これを見て、ヌーブラを思い出す人もいるだろう。
しかしヌーブラは、比較的胸のフォルムづくりを意識したもので、丸1日着けているとけっこう汗もかく。
一報、巨大ニプレスはともかく軽い。つけていることを忘れるほどの解放感だ。そして、小さく軽いので旅の荷物にならず、洗濯もものすごく簡単。
洗剤などなくても、手洗い石けんでちゃちゃっと洗い、洗面台や窓の枠においておけば、翌朝には乾いてしまう手軽さである。
運ぶときや使わないときは、粘着面にクッキングシートの「クックパー」をニプレスサイズにカットしてつけておけば完璧だ。表裏ともにくっつかないので、何度でも貼って剥がすことができる。
解放的な旅のために。
先日、一緒に雲南省を旅した友人が、「ああ、もうブラジャーつらい!スロギーも耐えられない!」と本気でイラッとしていたので、旅先でこの巨大ニプレスを差し上げた。
その後の日々で、私たちはどれだけその解放感を共有し、見つめ合ってニヤニヤしていたか。一度使ったらもう手放せない。
1週間の旅なら、2セットあれば完璧。そして万が一、何かあったときやオフィシャル用に(っていったい何だというのはさておき)ブラジャーが1個あれば、十分に事足りる。
1か月の旅でもいける。すぐ乾くからだ。バックパッカーにもおすすめだ。
サトタカ(佐藤貴子)
食と旅を中心としたコンテンツ企画、編集、執筆、監修、コーディネートなどを手掛ける。10代でフランス菓子の再現にハマり、20代後半で中華食材の多様性にハマり、30代で中国郷土料理の沼にハマる。中華がわかるウェブマガジン『80C(ハオチー)』ディレクター。中華圏を胃袋目線で旅する『ROUNDTABLE』主宰(当サイト)。東洋医学を胃袋で学ぶ『古月漢満堂』企画など。